HOMECOLUMN一覧資産運用老後資金は平均でいくら必要?わかりやすく計算方法を解説

老後資金は平均でいくら必要?わかりやすく計算方法を解説

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「老後の資金はいくら必要なのか」

「老後はいくらの貯蓄があれば安心して生活できるのか」

など、不安を感じている方もいるでしょう。

近年では多くの品物やライフラインの料金が値上がりしており、ますます老後の生活に不安を感じている方も少なくありません。

そこで今回は、老後の資金の計算方法を詳しく解説します。

具体的にいくらの資金が必要なのか知っておけば、今からでも貯蓄のために行動できるでしょう。

 

老後の資金は2,000万円が必要だと言われている理由

2019年6月に出された金融庁の金融審議会・市場ワーキング・グループの報告書をきっかけに、老後2,000万円問題が注目を浴びるようになりました。

しかし、老後2,000万円問題はあくまでもモデルケースでしかありません。

報告書では、高齢夫婦無職世帯をモデルケースとして計算されたものなので、自分の情報ではないのです。

自分の老後はいくらの資金が必要なのか知るためには、自分の情報で計算する必要があります。

 

老後資金の計算方法4ステップ

老後資金の計算方法は、大きく4つのステップで分類されます。

  1. 老後の年金額を確認する
  2. 老後の具体的な支出を計算する
  3. 老後の収入を計算する
  4. 毎月の積立金を計算する

それぞれのステップを具体的に解説していきます。

 

1.老後の年金額を確認する

まずは、老後の年金額を確認することが第一のステップです。

年金は老後の主な収入源となるため、年金額を確認しなければ老後の不足金額を見積もることは難しいです。

年金額を確認するためには、ねんきん定期便から老後不足金額の見積もりを出す必要があります。

ねんきん定期便にはこれまでの過去が反映されているため、将来受け取る年金額を確認するためには、さらに増える年金額を加算することが重要です。

 

「基礎年金」と「厚生年金」の計算方法

ちなみに、年金には「基礎年金」と「厚生年金」の2種類があり、会社員や公務員などで厚生年金に加入した経験がある方は基礎年金と厚生年金の2つを受け取れます。

しかし、自営業やフリーランスなど厚生年金に加入したことがない方は基礎年金のみしか受け取れない仕組みになっているのです。

これから増やせる年金の公式は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があります。

厚生年金に加入した経験がある場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つ、それ以外の場合は老齢基礎年金のみを計算しましょう。

老齢基礎年金の計算方法 2万円×(60歳−現在の年齢)
老齢厚生年金の計算方法 平均年収×0.55%×加入期間(厚生年金に加入して働く期間のこと)

例えば、現在45歳の場合、65歳まで働くと仮定するならば、加入期間は65 − 45 = 20年ということになります。

【具体的な計算例】

45歳の会社員で65歳まで厚生年金に加入し、平均年収500万円で働く場合

①老齢基礎年金の計算方法:2万円× (60歳−45歳) =30万円

②老齢厚生年金の計算方法:500万円×0.55%×20年=約55万円

①+②=85万円

今後増やせる金額は約85万円となります。

85万円とこれまでの年金額の合計欄の数字を合算すると、老後の年金額が算出できます。

 

2.老後の具体的な支出を計算する

次に、老後の具体的な支出を計算しましょう。

老後に必要になる支出は以下の通りです。

①基本的な生活費(1ヶ月あたり)

②家賃、固定資産税、火災保険などの住居費(1ヶ月あたり)

③その他(1ヶ月あたり)

 

生活費

基本的な生活費は、現役時代の生活費の8割程度と言われています。

現在の生活費の8割程度を目安として考えてみると良いでしょう。

 

住宅費

住居費には、住宅ローンを除いた死ぬまでにずっとかかり続ける費用を計算してください。

 

その他費用

その他には、家電の買い替え費や孫にかかる費用、冠婚葬祭費、病院代、娯楽費用などが当てはまります。

 

老後支出の計算方法

上記の3つの項目を1ヶ月あたりで計算して、合計金額を出しましょう。

合計金額を計算したら、老後の生活をスタートするのが65歳、平均余命の95歳まで続くと仮定したとします。

※出典:生命保険文化センター「日本人の平均寿命はどれくらい?」

すると、老後は30年になるので、その期間の支出の計算式は以下の通りになります。

・30年×12ヶ月×(①+②+③)=基本的にかかる支出額

基本的にかかる支出額が出たら、住宅ローンや車のローンなどがある場合は加算し、総支出額を算出しましょう。

 

3.老後の収入を計算する

次に、老後の収入を計算します。

基本的に老後の収入は年金と企業年金、国民年金基金などが当てはまります。

まずは、1で説明した計算式で年金額を計算しましょう。

次に、終身収入となる企業年金や国民年金基金などの金額を加算します。

年金と終身収入を計算できたら合算し、老後を30年として30年間分の総収入額を算出します。

・30年×12ヶ月×1ヶ月の収入=基本的な収入

そして最後に、年金と終身以外の収入をプラスします。

例えば、アルバイト代やパート代、退職金などですね。

退職してからアルバイトで5年程度働く場合は、5年分のアルバイト代を計算して、基本的な収入に合算すれば、老後の総収入額が分かります。

 

4.毎月の積立金を計算する

最後に、老後の資金を貯めるためにも、毎月どのくらいの積立金が必要なのか計算しましょう。

まずは、2と3で解説した計算方法で、老後の支出と老後の収入を計算します。

・老後の支出−老後の収入=不足する老後資金

次に下記の計算方法で、毎月の積立金額を算出しましょう。

・不足する老後資金÷ 65歳までの年数÷12ヶ月=毎月の積立金額

あくまで目安ではありますが、毎月の目標とする積立金額が分かります。

毎月の貯蓄金額を考え直したり、投資などを始めたりなどして、目標までに必要な老後資金を貯めていきましょう。

 

まとめ

近年では、老後2,000万円問題に注目が集まっていますが、あくまでもモデルケースにしか過ぎません。

本当に必要な老後資金を計算するためには、自分の収入や支出に合わせて計算することが重要です。

自分の老後資金は、下記の公式でシミュレーションできます。

・(老後の毎月の生活費−老後の毎月の収入) ×老後の生活する期間=必要な老後資金

あくまでも目安なので正確な金額は算出できませんが、想定できる範囲内でシミュレーションすることで、老後の生活に備えられます。

早めに行動することで余裕を持って老後資金を貯められるため、参考程度でも自分自身に必要な老後資金を知っておくと良いでしょう。