HOMECOLUMN一覧資産運用持ち家なしの夫婦に必要な老後資金はいくら?

持ち家なしの夫婦に必要な老後資金はいくら?

「賃貸に住み続ける場合、いくらお金を貯めておく必要があるんだろう?」このようなお悩みをお持ちの方は多いかと思います。

必要な老後資金は、持ち家の有無で大きく変わります。

今回は、持ち家がない夫婦が必要な老後資金を実際の平均額からお伝えしていきます。老後も賃貸に住み続ける場合に加味しておくべき考え方まで併せてお伝えするので、ぜひご参考ください。

夫婦の老後資金の平均額

まずは、老後を迎えた夫婦の家計収支の平均データから、必要な老後資金の全体像を把握しましょう。

老後夫婦の平均収入は25.7万円

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の実収入の平均は25.7万円です。

内訳は、公的年金などが含まれる社会保障給付が85.7%の22万円で、その他が14.3%の3.7万円となっています。

老後夫婦の平均支出は25.6万円

同じく総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の支出の平均は25.6万円です。

支出は、税金や社会保険料などの非消費支出が3.1万円で、消費支出が22.4万円に分けられます。消費支出の内訳で多くの割合を占めているのは、食料費が29.3%の6.6万円、交通・通信費が11.9%の2.7万円、光熱・水道費と教養娯楽費が8.8%で2万円、住居費が6.5%で1.5万円と並びます。

収入支出バランスが黒字でも老後資金の準備は必要?

前述した実収入の平均と支出の平均を比べると、実収入が0.1万円の黒字となります。この結果から、突発的な出費を考慮しなければ、老後資金の必要はないと言えます。

しかし、これはあくまでも平均なので、全ての方に当てはまる訳ではありません。むしろほとんどの方がこの通りには行かないでしょう。例えば、今回のテーマである持ち家がなく賃貸で家賃を払い続けながら老後を過ごす場合です。

前述した65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出の平均である22.4万円のうち、住居費は1.5万円です。この結果を見て1.5万円はさすがに少ないと感じ方も多いのではないでしょうか。

原因として、調査対象の方の中には持ち家があり、ローンをすでに返済し終えたなどの理由から、極端に住居費にかかる費用が少ない夫婦も含まれます。これによって平均が大きく引き下げてられていることが考えられるでしょう。

持ち家がない場合、必要な老後資金はどれぐらい増える?

持ち家がなく賃貸に住んで家賃を払い続ける夫婦は、必要な老後資金にどれぐらいのギャップがあるのでしょうか?

老後20年間で必要になる家賃は平均1,944万円

国土交通省より出された「2021年度住宅市場調査報告書」によると、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の家賃の平均は月額7.5万円で、共益費を合わせると月額8.1万円になります。寿命を85歳と仮定すると、65歳からの20年間で払う家賃(共益費を含む)は1,944万円です。

また、この試算では更新手数料や敷金礼金、火災保険などの毎月発生しない費用は含めていないので、借りる賃貸や引越し回数によっては、もっと多くの資金を準備しておく必要があります。

持ち家がない場合、必要な老後資金は1,560万円

前述した65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の住居費は平均が1.5万円であったことから、月額にすると6.6万円、老後20年だと1,584万円のギャップがあります。

全体の収入支出バランスが0.1万円の黒字でしたが、持ち家がない場合は単純計算で20年間で1,560万円の老後資金が必要となります。

これによって、持ち家のあるとないでは必要な老後資金に大きなギャップがあることがわかります。

自分に合った老後資金を把握する

持ち家があるかないかだけでも、必要な老後資金は夫婦によって大きく変わってきます。他にも、食料費や光熱・水道費、交通・通信費などの支出だけでなく、老後の主な収入源になる年金の額も働いていたときの形態によって人それぞれです。

このようにライフスタイルによって収入支出バランスは違い、必要な老後資金も大きく変わります。老後資金を準備するのも大切ですが、自分たちに必要な老後資金を把握することも同じくらいに大切です。

まとめ

今回は、持ち家のない夫婦が必要な老後資金について現在の日本での平均データを用いてお伝えしてきました。必要な老後資金は持ち家の有無で大きく変わります。

今後家を買ったとしてもローンの返済はありますし、買わず賃貸に住み続けても家賃は払わなくてはいけません。

今回ご紹介したデータはあくまでも平均です。夫婦のライフプランによって必要な金額は大きく変わるのでそれぞれに合った資産運用を計画していきましょう。

とは言っても、何年も未来のことを予測して計画を立てるのは難しいという方は、1度専門家に相談してみることをおすすめします。