夫婦二人の老後資金はいくら？持ち家を考慮した目安や貯め方を解説
「私たちの資産で暮らしていけるか不安」
「夫婦で2,000万円も老後資金が必要なの？」
など、老後資金には不安がつきものです。
実際、夫婦二人が安心して暮らせる老後の資金は、いくら必要なのでしょうか。
本記事ではそんな老後の不安を解消するため、夫婦二人に必要な老後資金を「持ち家の有無」で分けて解説。
さらに老後資金の貯め方なども紹介します。
目次
夫婦二人に必要な老後資金の目安
夫婦二人（65歳以上の夫婦のみの無職世帯）で老後の生活をする際に、必要な資金の目安を解説。
各支出額や収入額は、統計局「家計調査報告（家計収支編）2021年」を参考にしています。
・平均実収入：約23.7万円
・支出合計：約25.4万円
→平均消費支出：約22.4万円
→非消費支出：約3万円
そのため、毎月約1.8万円の赤字になります。
この先30年生きていくと1.8万円（毎月の赤字）×12ヶ月×30年＝約648万円の老後資金が必要になります。
大きな病気など、万が一のため1,000万円程度あると安心できるでしょう。
ここからは「持ち家の有無」による老後資金の金額差を解説します。
「持ち家あり」の夫婦二人の場合
上記で解説した平均の消費支出のうち、約1.6万円が住居費用です。
この金額を年間にすると約20万円。
持ち家の固定資産税（目安）の年間10〜15万円より高いです。
1年で約5〜10万円高いので、30年間で平均よりも約150〜300万円程度の赤字が減ります。
そのため「持ち家あり」の老後資金は、400万円程度が目安になるでしょう。
※持ち家の固定資産税の目安は『【ホームズ】一軒家の固定資産税の目安はいくら？ 計算方法や軽減措置についても紹介』を参照
「持ち家なし」の夫婦二人の場合
持ち家がないため、家を借りて家賃を払う必要があります
総務省が行った『平成 30 年住宅・土地統計調査』において、家賃の全国平均は毎月約5.5万円。
平均消費支出の住居費用約1.6万円よりも約3.9万円高いです。
もし老後30年間生きる場合、「持ち家なし」だと約1,404万円も平均の老後資金より高くなります。
そのため老後資金の目安は、平均の老後資金と合わせた約2,404万円です。
年金の種類によっては5,000万円以上の老後資金が必要な人も
| 男性 | 女性 | |
| 厚生年金の平均月額 | 約16.5万円 | 約10.3万円 |
| 国民年金の平均月額 | 約5.9万円 | 約5.4万円 |
上記の表を見るとわかるように、国民年金と厚生年金では受給額が大きく異なります。
もし夫婦二人とも国民年金だった場合、月々の収入は約11.3万円です。
国民年金以外に収入がない夫婦は、収入約11.3万円-平均支出約25.4万円＝-約14.1万円となります。
この赤字で30年間生きると、老後資金は約5,076万円必要です。
さらに持ち家がない人であれば、約1,404万円の老後資金が上乗せされます。
合計で約6,480万円と、老後に必要な資金が大幅に増えてしまいます。
老後資金の調べ方｜3ステップでしっかり確認
老後資金について、平均的な数値を用いて解説してきました。
ここでは、あなたの老後資金をより詳しく調べる方法を紹介します。
1.夫婦二人の収入を明確にする
老後の収入は、年金を軸にする人が多いはずです。
夫婦二人分の年金受給額を調べて、合算値を出しておきましょう。
既出ですが、計算しやすいように厚生年金と国民年金の平均月額表を再掲します。
| 男性 | 女性 | |
| 厚生年金の平均月額 | 約16.5万円 | 約10.3万円 |
| 国民年金の平均月額 | 約5.9万円 | 約5.4万円 |
もし年金以外にも収入の見込みがある人は、忘れずに年金受給額と合算してください。
2.家計簿をつけて夫婦の月間総支出を把握する
家計簿をつけると、夫婦二人でいくら使っているかが明確になります。
家賃や保険料など、変動がほぼない支出に関しては、見直すだけで把握可能。
そのため家計簿をつける上で、特に重視して欲しい項目は食費や光熱費といった変動する支出です。
変動する支出は、月毎や季節により変化があります。
1年ほど家計簿をつけ、平均支出を導き出しましょう。
3.収入と支出を合わせてシミュレートする
ここまでで、月間収入と月間総支出を明確にしました。最後にこの2つを合わせて、あなたの老後資金の目安を出しましょう。
計算方法は、（月間収入-月間総支出）×12ヶ月×老後30年です。
厚生労働省「令和３年簡易生命表の概況」において、
・男性の平均寿命：約81歳
・女性の平均寿命：約88歳
とされています。
そのため老後30年と見積もっておけば、少し余裕を持たせた老後資金がわかりますよ。
老後資金を貯めるおすすめの方法4選
老後の資金に不安がある人は、おすすめの貯蓄方法を押さえておきましょう。
余裕のある老後を過ごすため、ここでは4つの老後資金を貯める方法を紹介します。
今回紹介する中では、特に「つみたてNISA」や「DeCo」がおすすめ。
資産運用の中では低資金からでも始めやすく、利益に税金がかかりません。
また金融商品の価値が上がれば、通常の貯蓄より資産が増えます。
| おすすめポイント | |
| 「つみたてNISA」と「iDeCo」 | ・運用益に税金がかからない ・長期運用向けで老後資金を貯めやすい ・毎月少額で運用を始められる |
| 貯蓄タイプの保険 | ・保険料を支払いながら貯蓄が可能 ・生命保険の保障込みだから安心 財形貯蓄 ・毎月給料から自動で貯蓄できる |
| 財形貯蓄 | ・毎月給料から自動で貯蓄できる ・勤め先によっては長期貯蓄で給付金がもらえる ・非課税優遇措置がある |
| 持ち家の売却やリースバック | ・一括で大きな金額が入る ・貯金が苦手な人でも安心 |
まとめ：老後資金に不安がある夫婦は早めの準備を
夫婦二人の老後資金は、平均1,000万円程度。
少ない人は数百万円、多い人は5,000万円以上とかなり幅があります。
お伝えした老後資金の調べ方を参考に、まずは実際に必要な老後資金を把握してください。
もし老後資金の額が多く、不安を感じるのであれば、つみたてNISAとiDeCoといった資産運用を始めてみましょう。
運用益に税金がかからず、長期運用向けなので貯蓄にピッタリです。
