老後資金に保険は必要?保険で資産運用のメリット・デメリット
老後資金を貯めるのに、「資産運用」を考えている人も多いのではないでしょうか。
銀行の金利が低い昨今、貯蓄だけで数千万円の老後資金を貯めるのは至難の業です。
本記事では、比較的安定した運用が見込める「保険」に注目し、老後資金のために保険加入が必要か解説していきます。
「老後に備えた保険に入るべきかわからない」
「貯蓄や投資信託と比べた、保険のメリット・デメリットが知りたい」
という方はぜひ、ご参考にしてください。
目次
「満期保険金」「解約返戻金」が受け取れる個人年金保険
保険と聞くと、病気・怪我に備えた「医療保険」、自動車事故に備えた「損害保険」などを想像しますが、「個人年金保険」は「収入減に備えた保険」です。
「個人年金保険」は一定期間、保険料を支払い続けることで「満期保険金」を受け取れます。
また、途中解約した場合には「解約返戻金」をもらえます。
安定した公的年金の支給が懸念されているため、個人で老後に備える「個人年金保険」が注目を浴びています。
【メリット】所得控除があり、簡単に引き出せない
「個人年金保険」の最大のメリットは、保険料が所得控除の対象になることです。
個人年金保険の保険料を拠出し、老後資金を貯めながら、所得税額を減らすことができます。
具体的には、
年間8万円を超える個人年金保険料の支払いで、所得税で40,000円、住民税で28,000円の控除を受けられます。
【実際の還付額例】
■所得税率10%の場合・・・40,000×0.1=4,000円
■住民税率一律10%・・・・28,000×0.1=2,800円
所得税率にもよりますが、年間6,800円ほどの還付を受けとることができます。
また、「口座にお金が残っていると使ってしまう」という人にとっては、すぐに引き出せないのもメリットです。
毎月自動的に引き落としされる個人年金保険であれば、簡単に解約ができないため、確実に老後資金を貯めることができるでしょう。
【デメリット】途中解約で元本割れの可能性
個人年金保険は、途中解約で損する可能性が高いというデメリットがあります。
個人年金保険は20年間など、長期間での保険料支払いを前提に「満期保険金」を設定しているため、途中解約の場合は元本割れの確率が高くなります。
数年で解約してしまうと、解約返戻金の返戻率が100%未満になるのが一般的です。
万が一に備えて、途中解約時の返戻率を確認した上で、個人年金保険に加入する必要があるでしょう。
「個人年金保険」「貯蓄」「投資信託」どれがオススメ?
「個人年金保険」の他に老後資金の準備として考えられるものとして「貯蓄」「投資信託」があります。
資産運用には、リスクを抑えるために分散投資が推奨されますが、「老後資金」の準備という観点では、「個人年金保険」がオススメです。
それぞれの資産運用のメリット・デメリットを紹介します。
老後にまとまった資金が必要なら「個人年金保険」
「個人年金保険」は、老後資金の準備に最もオススメです。
株式投資や投資信託のように大きく資産が増える可能性は低いですが、長期間運用することで、支払った保険料以上の「満期保険金」を受け取ることができます。
毎年の「所得控除」も利用できるため、長期の運用でさらに効果が高まります。
【「個人年金保険」のポイント】
・長期的な運用で、ローリスクの資産運用が可能
・公的年金の埋め合わせができるため、老後資金の準備に最適
最低限の生活費・教育資金は「貯蓄」
「貯蓄」は最低限の生活費・教育資金分のみで充分です。「貯蓄」は安定の運用と考えられることが多いですが、実はリスクも大きいことをご存知でしょうか。
銀行の年間金利が0.1%以下の低金利のため、貯蓄しておいても増える利子収入は微々たるものです。また、インフレにより物価が上がった場合、現金の価値は目減りします。
もちろん、生活費や教育資金などの必要資金を「貯蓄」で準備する必要はありますが、余剰資金は他の資産運用に回すのがオススメです。
【「貯蓄」のポイント】
・最低限の生活費や教育資金は、現金で準備しておくべき
・低金利の状況で、インフレに弱い「貯蓄」はリスクが大きい
リスクをとった資産運用なら「投資信託」
「投資信託」は、リスクをとった資産運用ができる人にオススメです。
「投資信託」による資産運用で「年間利回り5%以上」など、大きく利益を得ている人がいますが、万人にオススメできる方法ではありません。損失を出している人も多いため、「余剰資金」による運用に留めるのがいいでしょう。
「投資信託」は老後資金への準備という観点では、リスクが大きい資産運用です。一方で、「つみたてNISA」や「iDeCo」などの制度利用を含めて、投資信託の仕組みを勉強した上で余剰資金による運用であれば、利用価値があります。
【「投資信託」のポイント】
・年間利回り5%以上など、大きなリターンを期待できる
・株価下落リスクがあるため、「余剰資金」での運用に留める
まとめ:保険を老後資金の
選択肢の1つにする価値あり
老後資金に「保険」を取り入れるメリット・デメリットを紹介してきました。
「個人年金保険」は以下の理由から、老後資金の準備に最適な資産運用になります。
・長期間の運用で、老後資産を準備することができる
・毎年、所得控除を受けることができる
・途中解約にデメリットがあるため、長く続ける人が多い
一方で、最低限必要な金額は「貯蓄」で準備、余剰資金で「投資信託」を購入という資産運用もオススメできます。
必要な老後資金額をシミュレーションして、自分に最適なバランスで老後に備えるといいでしょう。